JICの教育
理念から、授業へ。授業から、学習者の成長へ。
JICの教育は、知識や技術を一つずつ切り離して学ぶものではありません。
理念を持ち、学習者を理解し、必要な授業を設計し、専門性と総合力を生かして実践する。
そして、実践を振り返り、改善しながら、学習者の成長を支えていく。
JICでは、この一連の流れを、一人の日本語講師として成長するための教育体系として捉えています。
日本語コミュニケーションを通して、世界に相互理解と信頼の循環を育む。
人を育てる人を育てる。
「教える」から「引き出す」へ。
「教える」から
「引き出す」へ
「引き出す」とは、日本語講師が何も教えないことではありません。
学習者にすべてを任せることでも、ただ自由に話してもらうことでもありません。
学習者の現在地や目的を理解し、何を教え、何を問い、どのように支えるのかを判断することです。
必要な知識は、分かりやすく伝える。
学習者が自分で考えられるときには、すぐに答えを与えず、問いを届ける。
学習者の発言や反応を受け取りながら、その場に必要な授業へ調整する。
「教えること」と「引き出すこと」は、どちらか一方を選ぶものではありません。
正しく教える専門性と、学習者を理解してその専門性を適切に使う総合力をつなぐことが、JICの教育です。
理念を、目の前の学習者へ届ける。
JICメソッドは、決められた順番や話し方を再現する一つの教授法ではありません。
日本語講師が理念を持ち、学習者を理解し、必要な授業を自分で考え、実践と改善を続けるための教育体系です。
JICでは、その成長の構造を一本の木に例えています。
すべての判断の土台。
何のために日本語を教えるのか。どのような学習者の成長を支えたいのか。どのような日本語講師でありたいのか。
理念と実践をつなぐ。
学習者の目的、現在地、課題を理解し、目標を定め、必要な内容を選び、授業の流れを組み立てます。
文法・語彙、会話・表現、問いづくり、レベルチェック、教材・教具、異文化理解、フィードバック、コミュニケーション、実践と改善。
学習者が、自分で考え、日本語で伝え、相手を理解し、自ら学び続けられるようになること。
理解する・選ぶ・届ける
理解する
学習者の日本語力だけでなく、目的、背景、経験、文化、得意なこと、困っていること、伝えたいことを理解します。
選ぶ
教材にある内容をすべて教えるのではなく、今、その学習者に必要な内容を選びます。
届ける
学習者が理解し、自分で考え、実際に使えるように、問い、説明、例、活動を調整して届けます。
専門性
日本語を正しく理解し、分かりやすく教える力。
- 文法
- 語彙・表現
- 構造・意味・用法
- 類似表現の違い
- 誤用分析
- レベルに合わせた説明
- 会話や実際の場面へつなげる力
総合力
学習者を理解し、授業を設計し、実践し、成長を支える力。
- 理念
- 学習者理解
- レベルチェック
- 目標設定
- カリキュラム設計
- 授業設計
- 問いづくり
- 対話力
- 異文化理解
- フィードバック
- 振り返りと改善
専門性は「何を教えるか」を支える力。
総合力は「誰に、なぜ、どのように届けるか」を考える力。
この二つをつなげて育てることが、JICの教育の特徴です。
文法の位置づけ
JICでは、文法を日本語教育に欠かせない重要な専門性として考えています。
一方で、文法だけで授業のすべてが完成するとも考えていません。
JICメソッド全体から見る文法
授業を実現するための、重要な専門知識・スキルの一つ。
文法指導の専門領域から見る文法
理論・構造・意味を深く理解し、学習者の疑問へ分かりやすく答えるための専門性の土台。
文法を説明して終わるのではなく、学習者が理解し、会話や生活の中で使えるところまでつなげます。
JICでは、講義だけで終わりません。
設計する。
実践する。
振り返る。
改善する。
もう一度、実践する。
この循環によって、日本語講師自身も成長を続けます。
国際教育という実践
JICは、日本国内だけでなく、スリランカでも日本語教育と日本語講師育成に取り組んでいます。
文化や価値観、生活背景が異なれば、必要な説明、教材、問い、関わり方も変わります。
海外での実践から得た気づきを、JICの講座、教材、授業設計、日本語講師育成へ還元しています。